(1)経済社会の変容
▶経済活動
①経済行為–人間が自らの生命を維持し生活する上で必要な財(物資)やサービス(用益)を生産し、分配(交換・流通)し、消費する活動をいう。
②生産活動–生産は、労働力・土地・資本の3要素からなる。生産は一度限りのものでなく連続した再生産過程をとる。同一規模で生成産をくり返す単純再生産、拡大する拡大再生産、縮小する縮小再生産がある。拡大再生産は資本の蓄積を生む。
▶経済社会の変容
①自給自足経済–ヨーロッパの中世封建社会では荘園中心の自給自足経済。農業生産の拡大によって交換が活発化し、貨幣経済に移る。
②商業資本主義–15世紀以降、絶対王制の重商政策のもとで商業資本が発達。問屋制家内工業から工場制手工業(マニュファクチュア)へと発展した。
③産業資本主義–18世紀後半以降、イギリスに始まった産業革命は工場制機械工業を成立させ、私有財産と自由経済を発展させ資本主義が確立。
④独占資本主義–19世紀末、重工業の発達により競争が激化、少数の大企業による資本の独占が生まれた。金融資本が経済を支配し、対外的には植民地争奪の帝国主義が展開された。
⑤修正資本主義–1929年の世界大恐慌後、政府が経済に積極的に介入し景気調整と社会保障の充実を図るようになった。それまで自由放任からの大きな転換で、これをケインズ革命という。
(2)資本主義経済の特徴
▶基本原理
①私有財産制–工場・土地・機械などの生産手段の私的所有、すなわち個人の財産所有の自由。
②経済活動の自由–利潤を求め、契約の自由と市場での自由競争を展開する自由が個人にある。
▶特徴
①生産されるもの–すべての財・サービスは、売買される商品として生産される。
②生産の目的–企業はより多くの利潤を求めて自由な経済活動を行う。
③取引–市場で財やサービスの需要と供給が出会って価格が形成され、取引が行われる。市場のはたらきを通じて自動的に需給が調整され、資源の合理的配分が行われるシステムを市場機構とよぶ。
④労働–賃金労働。労働者はその労働力を商品として資本家(企業)に提供し賃金を受けとる。
⑤政府の役割–自由放任政策。国家の役割は国防・外交・警察・土木工事の必要最小限なものである。安価な政府。ラッサールは夜警国家とよぶ。1930年代以降のケインズ革命後、積極的な景気調整と社会保障の充実を政府が行う福祉国家。大きな政府となった。
(3)経済学説
▶古典派以前
①重商主義–16世紀~18世紀金世絶対主義の経済思想。富は貿易によって増加すると保護貿易と産業の育成政策がとられた。フランスのコルベールなど。
②重農主義–18世紀後半、重商主義を批判し、富の源泉を農業と主張。初めて経済循環を説いた「経済表」の著作をもつケネーが、その代表である。
▶古典派
①アダム・スミス–18世紀後半、イギリスの経済学者。「国富論」で経済学を確立。自由な競争があれば神の見えざる手に導かれ社会も発展すると説き、国家は国民の経済活動に介入すべきでないと自由放任主義を主張。
②スミス以外–経済的自由主義を主張した古典派には、「人口論」のマルサス、自由貿易論を主張し、労働価値説を主張したリカード、さらには、J.S.ミル。
▶マルクス経済学
①マルクス–「資本論」の中で、へ①マルクス–「資本論」の中で、ヘーゲルの弁証法、唯物史観、労働価値説を発展させた剰余価値説に基づいて社会主義社会の必然性を説く。
②ロシア革命–1917年ロシア革命を指導したのは「帝国主義論」を説いたレーニンである。
▶近代経済学
①近代経済学–19世紀後半以降、ケインズ学派、マネタリスト、サプライサイドエコノミクスなどがある。
②ケインズ–「雇用・利子および貨幣の一般論」でスミス以来の自由放任政策をやめ政府が経済に介入し、有効需要をつくり出す必要を主張した。

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